第30回。前回(第29回)は接道義務でした。道路に2m接していなければ建てられない──0か1かの話です。
今日はその先。建てられるとして、どこまでか。建築基準法②、用途制限・建ぺい率・容積率。集団規定の本丸で、P3で数字がいちばん多い回になります。
1. 物差しは3本しかない
最初に全体像を置きます。集団規定が敷地に対してかけてくる制限は、結局この3つです。
① 用途制限 … 何を建ててよいか(48条)
② 建ぺい率 … どれだけ地面を覆ってよいか(53条)
③ 容積率 … どれだけの延べ面積まで建ててよいか(52条)
種類・平面・体積か。……なんでこの3本やねん。他にもありそうやけど。
守っているものが違うからです。1本ずつ理由を先に言っておきます。
用途制限が守るのは街の性格。静かな住宅街の真ん中にキャバレーが建つと、住んでいる人の暮らしが壊れる。逆に工場だらけの区域に住宅を建てられると、今度は工場のほうが騒音で文句を言われて操業できなくなる。
あ、そっちもあるんか。住宅を守るだけちゃうんやな。
両方向です。ここは後で効きます。
建ぺい率が守るのは地面の空き。敷地いっぱいに建てられると、隣との間に隙間がなくなる。日が当たらない、風が通らない、そして火が出たら隣に燃え移る。
延焼か。前回の「避難と消防」と同じ線やな。
同じ線です。容積率が守るのはインフラの容量。延べ面積が増えれば、そこに入る人が増える。人が増えれば道路も上下水道も駅も足りなくなる。建物の量は、街が受け止められる人数の上限で決まる。
……せやから容積率のほうだけ、道路の幅が絡んでくるわけか。
先に着地されました。そのとおりです。あとで8節でやります。
そして前提の確認をひとつ。この3つは全部、集団規定です。前回やったとおり、原則として都市計画区域と準都市計画区域の中でしか効きません。
2. 用途制限は、表を覚える科目ではない
用途制限から行きます。用途地域13種類 × 建物の種類の表(別表第二)がテキストに載っていて、みんなここで一度心が折れます。
見たわ。○と×がびっしり並んどるやつやろ。あれ全部覚えるんか。
覚えません。というより、覚えても間に合いません。宅建で問われるのは表の全部ではなく、毎年同じ数個の行です。しかもグループで動きます。
考え方はひとつだけ。13の用途地域は、左から右へ「静か → うるさい」の一直線に並んでいると見てください。
低層住居専用 → 中高層住居専用 → 住居 → 準住居 → 近隣商業 → 商業 → 準工業 → 工業 → 工業専用
第27回でやった並びやな。「専用」がつくほど純度が高い、いうやつ。
その並びです。そして建物の用途ごとに、この直線のどこからどこまでが○かが決まっている。だから覚えるのは**○×の全部ではなく、境目がどこか**だけです。
境目だけか。ちょっと減ったな。
もっと減ります。真ん中は、たいてい○なんです。×がつくのは両端。
両端?
**静かすぎる側(低層住居専用)と、うるさすぎる側(工業・工業専用)です。真ん中の住居地域・近隣商業・商業・準工業あたりは、何でも建つ。だから「どっちの端から×が始まるか」**だけ押さえればいい。
3. 4つのグループで持つ
実際にグループにします。宅建で出るのは、ほぼこの4つです。
A:どこでも建つ(13地域すべて○)
神社・寺院・教会/保育所/診療所/公衆浴場/巡査派出所・公衆電話所
工業専用地域にも神社と保育所が建つんか。
建ちます。人が働いている場所には、必ず必要になるものだからです。急病人は工場でも出る。子どもを預ける場所も要る。生活のインフラに近いものは、街の性格に関係なく置ける。
診療所はどこでもOK、な。病院は?
別のグループです。あとで出ます。そこが引っかけの本体なので、診療所と病院を必ず分けてください。
B:工業専用地域だけ×
住宅・共同住宅・寄宿舎・下宿/図書館/老人ホーム・福祉ホーム
……工業専用地域には、家が建てられへんんか。
建てられません。これが用途制限で一番有名な一行です。13地域のうち、住宅が建たないのは工業専用地域だけ。
1で言うとった「工場のほうを守る」がこれか。
これです。工業専用地域は操業に専念させる区域で、住民がいると24時間動かせなくなる。住まわせないことで、工場を守っている。
……逆に言うと、工業地域には家が建つんやな。「専用」がついてへんほう。
建ちます。そこが差です。工業地域と工業専用地域を入れ替えた肢は毎年のように出ます。「専用」の2文字を読み飛ばしたら終わりです。
C:工業地域・工業専用地域が×
幼稚園・小学校・中学校・高等学校
工業地域は家はOKやけど、学校はアカンのか。
子どもを通わせる場所だからです。住むのは大人の選択でも、小中学校は行かないという選択がない。トラックが走り回る区域に通学路を作らせない。
D:低層住居専用・田園住居 と 工業・工業専用が×(=両端が×)
大学・高等専門学校・専修学校/病院
大学と病院が同じ行なんか。全然ちゃう建物やん。
理由は同じです。大きくて、人が大量に集まって、車の出入りが多い。低層住宅が並ぶ静かな区域には収まらない。かといって工業地域に建てるものでもない。結果として、真ん中にしか置けない。
なるほど、規模で切れとるんか。ほな小中高は低層住専でもOKなんやな。
OKです。ここが最頻出の対比です。
| 低層住居専用 | 工業 | 工業専用 |
|---|
| 幼稚園・小・中・高 | ○ | × | × |
| 大学・病院 | × | × | × |
| 診療所 | ○ | ○ | ○ |
| 住宅・図書館・老人ホーム | ○ | ○ | × |
診療所だけ全部○で、病院は両端×。……同じ「医療」で答えが真逆やん。
だから狙われます。「第一種低層住居専用地域内に病院を建築することができる」は**×、「診療所を建築することができる」は○**。この2問は毎年どこかで顔を出すと思ってください。
4. 残りは「どこから遊べるか」で並ぶ
娯楽・遊興系は、Aの反対で静かな側から順に×が取れていく形です。境目だけ拾います。
ホテル・旅館 … 低層住居専用・中高層住居専用・田園住居・工業・工業専用は×。第一種住居地域では3,000㎡以下なら建てられる。
カラオケボックス … 低層住居専用・中高層住居専用・第一種住居地域・田園住居は×。第二種住居地域から○。
劇場・映画館・演芸場・観覧場 … 準住居地域(客席200㎡未満)・近隣商業・商業・準工業のみ○。
料理店・キャバレー … 商業地域・準工業地域のみ○。
下にいくほど狭なっていくな。
街への負荷の順です。ホテルは人が寝るだけ。カラオケは夜に音が出る。劇場は一度に大勢が出入りする。料理店・キャバレーは深夜の繁華街そのもの。負荷が重いものほど、建てられる場所が減る。
……ちょっと待ち。カラオケボックスは工業専用地域でもOKなんか?
OKです。
家は建てられへんのに、カラオケは建つんかい。
住環境を壊すかどうかで切っているからです。工業専用地域には守るべき住環境がそもそもない。だから**「静かさを守る側でだけ×、工業側では○」**という、Dとは逆の形になる。
……用途制限、意外と一貫しとるな。何を守ろうとしとるかで×の位置が動くだけか。
その読み方ができれば、表は半分捨てて構いません。
例外を2つだけ足します。まず48条ただし書。
用途地域による制限に適合しない建築物でも、特定行政庁が、周囲の環境を害するおそれがない等と認めて許可した場合は、建築できる。
許可で抜けられるんか。
抜けられます。「一切建築できない」と言い切った肢は、この一行で×になることがあります。ただし許可には利害関係者の公聴会など、それなりの手続が要ります。抜け道ではなく、正面から開けた穴です。
もう1つ、用途地域とは別枠の規制が51条にあります。
卸売市場・火葬場・と畜場・汚物処理場・ごみ焼却場等は、都市計画においてその敷地の位置が決定しているものでなければ、新築・増築できない(51条。特定行政庁が許可した場合等を除く)。
これは用途地域の表とは別なんか。
別です。どの用途地域かに関係なく、「都市計画で場所が決まっていること」自体が条件になる。誰も隣に来てほしくない施設は、個別に場所を決めてからでないと建てられない、という作りです。
5. 敷地が2つの用途地域にまたがったら
ここで、今日いちばん間違えやすい論点を先に置きます。敷地が2以上の用途地域にわたる場合です。
境界線が敷地の真ん中を通っとる、いうことか。現実にありそうやな。
よくあります。答えはこうです。
建築物の敷地が2以上の用途地域にわたる場合、その建築物の用途制限については、敷地の過半の属する用途地域の制限が、敷地全体に適用される(91条)。
過半。……広いほうに寄せるんか。
寄せます。理由は単純で、用途制限は○か×しかないから。「敷地の6割は病院OKの地域、4割はNGの地域」だとして、病院を6割だけ建てるということはできません。どちらかに決めるしかないので、多数決にした。
……ということは、面積の小さいほうの地域の制限は、完全に消えるんやな。
消えます。第一種低層住居専用地域に少しだけかかっていても、過半が近隣商業地域なら、敷地全体が近隣商業地域として扱われる。
逆もあるやろ。ちょっとだけ低層住専にかかっただけで──
いいえ、逆はありません。過半が近隣商業なら近隣商業。**「厳しいほうに合わせる」ではなく「広いほうに合わせる」**です。ここ、直感と逆なので注意してください。
厳しいほうちゃうんか。法令上の制限て、だいたい厳しいほうに寄せるイメージやったわ。
その勘は、防火地域では当たります。次回やりますが、防火地域と準防火地域にまたがる建築物は、厳しいほう(防火地域)の規定が全部に適用される。用途制限は過半、防火は厳しいほう。混ぜないでください。
……ほんで、建ぺい率と容積率は。
3つめの処理です。加重平均。
建ぺい率・容積率が異なる2以上の地域にわたる場合は、それぞれの地域に属する敷地の部分の割合に応じて按分した値が、その敷地全体の限度になる。
こっちは分けられるんか。
数字だから分けられるんです。用途は○か×で割り切れないけれど、率は計算できる。割り切れないものは多数決、割り切れるものは按分。
理屈は分かったわ。……同じ「またがる」で3パターンか。いやらしいな。
いやらしいので出ます。表にします。
| またがるもの | 処理 |
|---|
| 用途制限(2以上の用途地域) | 過半の属する地域の制限を敷地全体に |
| 建ぺい率・容積率(異なる地域) | 加重平均(按分) |
| 防火地域・準防火地域(建築物がまたがる) | 厳しいほう(防火地域)の規定を全部に |
6. 建ぺい率 ── 地面をどれだけ覆ってよいか
数字に入ります。まず定義。
建ぺい率 = 建築面積 ÷ 敷地面積
建築面積は、おおまかには建物を真上から見たときの面積です。
影の面積か。2階建てでも3階建てでも同じやな。
同じです。建ぺい率は高さを見ていません。見ているのは地面がどれだけ空いているかだけ。
限度は用途地域ごとに都市計画で定められます。いくつかの選択肢の中から選ぶ形です。
| 用途地域 | 都市計画で定める建ぺい率 |
|---|
| 低層住居専用・中高層住居専用・田園住居・工業専用 | 3/10・4/10・5/10・6/10 |
| 住居・準住居・準工業 | 5/10・6/10・8/10 |
| 近隣商業 | 6/10・8/10 |
| 商業 | 8/10(これのみ) |
| 工業 | 5/10・6/10 |
| 用途地域の指定のない区域 | 3/10〜7/10のうち特定行政庁が定める |
商業地域だけ選択肢がないんやな。
8/10で固定です。商業地域は駅前でビルを敷地いっぱいに建てる場所なので、そもそも迷う余地がない。「商業地域は8/10」は、この表で唯一そのまま覚える価値がある行です。
工業専用地域が住宅街と同じ枠なんが意外やわ。もっと建てられそうやのに。
工場は広い敷地に低く建つものだからです。建物を詰めるより、資材置場や車両の動線が要る。用途の実態に合わせた数字であって、厳しさの順番ではありません。
計算しておきます。敷地面積200㎡、指定建ぺい率6/10。
200 × 0.6 = 120㎡。真上から見て120㎡までやな。
そうです。残りの80㎡は、庭でも駐車場でも空地として残る。これが延焼を止め、風を通します。
7. 建ぺい率は、条件で緩む
建ぺい率には緩和があります。ここが出題の本体です。
① 特定行政庁が指定する角地にある敷地 … +1/10
② 防火地域内にあり、かつ耐火建築物等 … +1/10(建ぺい率の限度が8/10とされている地域を除く)
①②の両方 … +2/10
準防火地域内にあり、かつ耐火建築物等・準耐火建築物等 … +1/10
角地でなんで緩むんや。
2方向が道路に面しているからです。建ぺい率が守っていたのは空きでした。角地はすでに2面が道路という空地に接している。隣に燃え移りにくく、風も通る。だから同じ条件が別の形で満たされている分、建物を増やしてよい。
前回の43条2項と同じ発想やな。目的が満たされとったら形式は緩める。
まったく同じです。②も同じ理屈で、耐火建築物なら燃え移らない。建ぺい率が防いでいた延焼を、建物の構造が防いでいる。
ほんで、両方揃うたら**+2/10**か。
そうです。指定6/10の角地に防火地域の耐火建築物を建てるなら、8/10。敷地200㎡なら**160㎡**まで建築面積が取れる。
……②の括弧、なんやったっけ。「8/10の地域を除く」て。
そこが今日いちばん出る一行です。
建ぺい率の限度が8/10とされている地域内で、かつ防火地域内にある耐火建築物等については、建ぺい率の制限は適用されない(53条6項1号)。
適用されへん。……+1/10で9/10ちゃうんか?
違います。制限そのものが外れます。実質10/10、つまり敷地いっぱいに建てられる。
なんでそこだけ全開になるんや。
駅前の商業地域を思い浮かべてください。ビルが隙間なく壁のように連なっている風景。あれは、この規定の結果です。建ぺい率8/10の地域+防火地域という組み合わせは、事実上都市の中心部を指しています。そこでは建物同士が接していることを前提に、燃えない材料で作らせる方向に切り替えている。
空地で延焼を止めるんやなくて、建物自体を燃えんようにして止めるか。守り方を替えとるんやな。
その一行で53条6項は読めます。「+1/10されて9/10になる」という肢は**×。ここは数字で書き換えられるので、「制限なし」という結論を言葉で覚えてください**。
ついでに、最初から建ぺい率がかからないものも。
巡査派出所・公衆便所・公共用歩廊など。公園・広場・道路・川等の内にある建築物で、特定行政庁が安全上・防火上・衛生上支障がないと認めて許可したもの。
交番。……さっき用途制限でも**全地域○**やったな。
同じ性格です。あれは街の機能そのものであって、規制する対象ではない。用途でも率でも外れる。交番は強い、で覚えてください。
8. 容積率 ── 街に入る人数の上限
3本目。
容積率 = 延べ面積 ÷ 敷地面積
延べ面積は各階の床面積の合計です。建ぺい率が真上から見た影だったのに対して、容積率は全部の階を足す。だから高さ・階数がここで効いてきます。
敷地200㎡で容積率200%やったら、延べ400㎡か。2階建てなら各階200㎡……いや、建ぺい率で120㎡までやったな。
そこが2つの率の関係です。建ぺい率が1階の上限を決め、容積率が総量を決める。120㎡の影で400㎡を作るなら、**4階建てで各階100㎡**といった形になる。2本の制限が同時にかかるので、片方だけでは建物の形は決まりません。
ほんで、容積率も用途地域ごとに決まっとるんやろ。
決まっています。低層住居専用は低く、商業地域が最も高い。ただし選択肢の幅が地域ごとにかなり違い、数字も多いので、具体的な数値は最新年度のテキストで確認してください。僕はここで一覧を断定しません。
出えへんのか、その数字。
出るとしても、問題文に「指定容積率は300%」と書いてあるほうがずっと多いです。覚えるより、書かれた数字をどう処理するかが問われる。その処理が次の論点です。
9. 前面道路の幅員が、容積率を上書きする
今日の計算問題の核心です。
前面道路の幅員が12m未満である建築物の容積率は、指定容積率と、前面道路の幅員(m)に次の数値を乗じたものの、いずれか小さいほうが限度となる(52条2項)。
住居系の用途地域 … 4/10
その他の用途地域・用途地域の指定のない区域 … 6/10
道路の幅で容積率が決まるんか。……1で言うとった「入る人数」やな。
そこにつながります。延べ面積が大きいほど、そこで暮らし働く人が増える。その人たちが出入りする口は前面道路しかない。細い道に大きなビルを建てれば、朝夕に人と車が詰まる。道路の幅が、建物の容量の天井なんです。
住居系が4/10で、商業・工業が6/10。住居系のほうが厳しいんやな。
住居系は静けさと住環境を優先する区域なので、同じ道路幅でも許す量が少ない。「住居系=4」「それ以外=6」、この2つだけです。
計算してみるわ。敷地200㎡、第一種住居地域、指定容積率300%、前面道路が6m。
どうぞ。
住居系やから4/10。6 × 4/10 = 2.4 で240%。指定は300%やから……小さいほうで240%。延べ面積は 200 × 2.4 = **480㎡**まで。
正解です。指定容積率300%は使い切れていない。道路が細いせいで、都市計画で許された量まで建てられないという状態です。
これ、同じ土地でも前の道が広いか狭いかで値段が変わるやん。
変わります。前回の接道義務と同じで、道路が土地の価値を決めている。P3の建築基準法は、結局ずっと道路の話をしています。
数字の注意を3つ。
① 前面道路の幅員が12m以上なら、この制限はかからず、指定容積率がそのまま限度。
② 前面道路が2以上あるときは、幅員が最大のもので計算する。
③ 42条2項のセットバック部分は、敷地面積に算入されない。
②、広いほうでええんか。厳しいほうちゃうんや。
広いほうです。制限の趣旨が「人や車が出ていける口の大きさ」だから、いちばん広い出口で測るのが理屈に合う。「狭いほうで計算する」は×。
③は前回の宿題やな。中心線から2m下がった分は、自分の土地やのに敷地面積から抜けると。
抜けます。敷地面積は建ぺい率・容積率の分母なので、分母が減れば、建てられる建物も小さくなる。前回「次回でそのまま使う」と言ったのはここでした。2項道路沿いの土地は、接道はクリアしていても、使える量で損をする。
……道が狭い土地は、二重に損しとるわけか。敷地も減るし、容積率も抑えられるし。
二重です。厳しいですが、両方とも同じ「道が細い」という事実から出ているので、理屈は一貫しています。
最後に、延べ面積に算入しないものを。ここは緩和なので、知っていると得します。
共同住宅・老人ホーム等の共用の廊下・階段の用に供する部分 … 算入しない
エレベーターの昇降路の部分 … 算入しない
自動車車庫等の部分 … 建築物全体の延べ面積の1/5を限度に算入しない
地階でその天井が地盤面からの高さ1m以下にあるものの住宅・老人ホーム等の部分 … その用途に供する部分の床面積の合計の1/3を限度に算入しない
共用廊下がゼロになるんは大きいな。マンションやったら相当あるやろ。
マンションを建てやすくするための緩和です。共用部分まで容積率に入れると、廊下の広い住みやすいマンションほど住戸を減らすことになる。政策としてそこを外した。
地下の1/3も、住宅限定なんやな。
住宅等に限られます。地下室つきの家を作りやすくする趣旨で、店舗や事務所の地下には使えません。「地階の部分はすべて算入しない」という肢は**×**。用途と上限(1/3)の両方に線があります。
10. 締めの3問
締めの3問。今日は全部、数字か処理です。
こい。
第1問。「建築物の敷地が2以上の用途地域にわたる場合、その建築物の用途制限については、それぞれの用途地域の制限が、敷地のそれぞれの部分に適用される」。
×。過半の属する用途地域の制限が、敷地全体にかかる。……用途は○か×やから、半分だけ建てるいうことができひんもんな。割り切れんもんは多数決や。
理由まで出ました。第2問。「建ぺい率の限度が8/10とされている地域内で、かつ防火地域内にある耐火建築物等については、建ぺい率の制限は適用されない」。
○。+1/10やなくて、制限そのものが外れるやつや。駅前のビルがびっしり並んどるのがこれやろ。……空地で延焼止めるんやなくて、建物を燃えんようにして止める方向に替えとる。
そこまで言えれば、数字で書き換えられても落ちません。第3問。「前面道路の幅員が12m未満である建築物の容積率は、住居系の用途地域においては、当該前面道路の幅員に6/10を乗じたものと都市計画で定められた容積率のうち、いずれか大きいほうが限度となる」。
×。2か所ちゃう。住居系は4/10やし、小さいほうが限度や。……大きいほうやったら制限にならへんもんな。
3問とも取れました。しかも第3問は、2か所の誤りを両方指摘している。
今日のは理屈でいけたわ。用途制限の表だけは正直しんどいけど。
表は全部を目指さないでください。今日の4グループと、診療所/病院、工業地域/工業専用地域。この2組の対比が取れていれば、用途制限で落とす問題はかなり減ります。
11. 次回予告
次回は第31回、「高さと、燃えにくさ」──建築基準法③、高さ制限と防火地域。
今日は平面(建ぺい率)と総量(容積率)をやりました。残っているのは縦方向です。低層住居専用地域の絶対高さ制限、道路や隣地との関係で斜めに切られる斜線制限、そして日影規制。最後に防火地域・準防火地域を片づけて、建築基準法は終わります。
今日出てきた「またがったら厳しいほう」が、そこやな。
そこです。用途制限は過半、建ぺい率・容積率は加重平均、防火は厳しいほう。3つ目の処理を次回きちんと置きます。今日の表をそのまま持ってきてください。
進行の報告を。第30回の予定は9月11日で、下書きは9月19日。遅れは8日です。
また8日か。
3回続けて8日です。27回で7日、28回・29回・30回が8日。1日増えたところで止まっています。
P3の締めは9月21日やろ。あと2日で残り何本や。
6本です。31から36まで。日付どおりには終わりません。
そこは前回と同じやな。
同じです。本数は削りません。9月21日には法令カードの正答率65%と撤退ラインの判定が控えていますが、判定は記事の進捗ではなく、カードの数字でやります。連載が遅れていることと、学習が遅れていることは別の話なので。
連載のほうが遅れとっても、判定はちゃんとやると。
やります。順番を逆にしないのが、この連載の最初からの約束です。
今日の持ち帰り
集団規定の物差しは3本。用途制限=何を建てるか、建ぺい率=どれだけ地面を覆うか、容積率=どれだけの延べ面積か。 守っているのは順に街の性格・地面の空き(日照・通風・延焼)・インフラの容量。
用途制限は表の全部ではなく、境目と例外だけ。真ん中はたいてい○、×がつくのは両端(低層住居専用側と工業側)。
どこでも建つ:神社・寺院・教会/保育所/診療所/公衆浴場/巡査派出所。
工業専用地域だけ×:住宅・共同住宅/図書館/老人ホーム。住宅が建たないのは工業専用地域のみで、工業地域には建つ。
工業・工業専用が×:幼稚園・小・中・高。低層住居専用と工業・工業専用が×:大学・病院。 ──小中高は低層住専に建つが、大学と病院は建たない。診療所はどこでも建つが、病院は両端で建たない。
ホテル・旅館は第一種住居地域で3,000㎡以下なら可。カラオケボックスは第二種住居地域から。劇場・映画館は準住居(客席200㎡未満)・近隣商業・商業・準工業のみ。料理店・キャバレーは商業・準工業のみ。
特定行政庁の許可があれば、用途制限に適合しない建築物も建てられる(48条ただし書)。卸売市場・火葬場・と畜場・ごみ焼却場等は、都市計画で敷地の位置が決定していなければ新築・増築できない(51条)。
またがったときの処理は3種類。用途制限=過半の属する地域の制限を敷地全体に(91条)/建ぺい率・容積率=加重平均/防火地域・準防火地域=厳しいほう。
建ぺい率=建築面積÷敷地面積。商業地域は8/10で固定。
建ぺい率の緩和:特定行政庁指定の角地で+1/10、防火地域内の耐火建築物等で+1/10、両方で+2/10。準防火地域内の耐火・準耐火建築物等で+1/10。
建ぺい率8/10の地域内で、防火地域内にある耐火建築物等は、建ぺい率の制限が適用されない(53条6項1号)。9/10ではなく、制限なし。
容積率=延べ面積÷敷地面積。前面道路の幅員が12m未満なら、指定容積率と「幅員×住居系4/10・その他6/10」の、いずれか小さいほうが限度(52条2項)。12m以上なら指定容積率のみ。前面道路が2以上あるときは最大の幅員で計算。
42条2項のセットバック部分は敷地面積に算入されない──建ぺい率・容積率の分母が減る。
延べ面積に算入しないもの:共同住宅等の共用の廊下・階段、エレベーターの昇降路。自動車車庫等は延べ面積の1/5まで、地階の住宅等の部分は住宅等部分の1/3まで。
この連載は、受験生Rayと伴走AI「クロ」の学習記録です。僕は宅建の専門家ではありません。学習には必ず最新年度のテキストと一次ソースを確認してください。間違いに気づいたら、直したことも含めて次の回で書きます。